老後の住まいとして選択肢に挙げられるのが、シニア向け分譲マンションと有料老人ホームです。
施設によって具体的にどんな違いがあるのかを比較して選択したい方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの違いについて紹介します。
それぞれの特徴を把握し、希望に合った選択ができるよう、この記事をご参考になさってください。

シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの違い

まずは、シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの概要を見ていきましょう。
それぞれの詳しい特徴については、後ほど詳しく解説します。

シニア向け分譲マンションとは、バリアフリーなど高齢者が暮らしやすい配慮が行き届いた分譲マンションのことです。
通常の分譲マンションと同様、マンションの一室を購入する形になり、資産として所有できます。基本的には、介護が不要の自立した高齢者を入居対象としています。

一方、有料老人ホームは物件を購入するものではないため、資産にはできません。大きくは、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3種類に分かれており、要介護度や必要なサポートに合わせて選択します。
そのため、介護度や体調、必要なケアにあわせた施設を探すことが可能です。

シニア向け分譲マンションの特徴

ここからは、それぞれの特徴を費用・サービス内容・契約の形式・一日の過ごし方の4つの観点から詳しく解説していきます。
まずは、シニア向け分譲マンションにはどのような特徴があるのでしょうか。

費用

シニア向け分譲マンションの入居にかかる費用は、通常の分譲マンションを購入するときと変わりません。
ただ、通常よりもバリアフリーや高齢者に特化した暮らしやすい設計となっていることから、相場よりも高い場合が多いようです。具体的には入居一時金として、数十万～数千万円の費用が必要になることが一般的で、住宅ローンを利用して支払うことも可能です。

月額費用としては、生活費や食費、管理費などが必要になります。
具体的には月々10万円～30万円ほどが目安となるでしょう。シニア向け分譲マンションは、有料老人ホームを利用するよりも全体として高額になる傾向にあります。

サービス内容

主に自立した生活を送れる人を対象としているのがシニア向け分譲マンションの特徴です。
バリアフリーの環境はもちろん、老後の悠々自適な生活を送るための設備も整っています。たとえばレストラン、カラオケ、シアター、温泉などの娯楽施設を併設し、レクリエーションを開催するところも多いです。

また、高齢者が快適に暮らせるような生活支援を受けることもできます。
洗濯や掃除といった生活のサポートや安否確認、病院への送迎やフロントサービスなど、内容はマンションによってさまざまです。

契約の形式

通常の分譲マンションと同様、シニア向け分譲マンションは購入すると所有権が与えられます。
自身の資産とすることができ、売りに出したり、賃貸に出したりすることも可能です。また、子どもに相続することもできます。

一日の過ごし方

シニア向け分譲マンションは、自分の好きなように暮らせる点がメリットです。
食事も自分の生活に合わせて時間を設定できるほか、状況に応じて外出・外泊も可能です。併設されている娯楽施設を利用したり、他の入居者とコミュニケーションをとったりして楽しむのも自由です。
自立している現状を活かし、ご自分のペースで過ごしたい方にはぴったりの環境でしょう。

有料老人ホームの特徴

次に、有料老人ホームの特徴について見ていきましょう。

費用

有料老人ホームの費用感は、賃貸マンションと同程度です。前払い金とも呼ばれる入居一時金と、月額の利用料が必要になります。
どの種の施設を利用するかによって幅がありますが、基本的には入居一時金が10万円～30万円前後、月額利用料は10万円～20万円前後のところが多いでしょう。

サービス内容

介護度や必要なサービスに合わせ、施設を選択できるのが有料老人ホームの特徴です。
介護付き有料老人ホームは、介護度の高い方まで幅広く対応しており、定額で介護サービスを受けることができます。
また、住宅型の場合は主に生活支援を中心とし、外部の介護サービスを利用することで、介護度の低い方から高い方まで幅広く受け入れている場合もあります。
また、自立した方を主に受け入れている健康型有料老人ホームでは、家事などの生活サポートを受けることが可能です。

契約の形式

有料老人ホームの場合、契約の形態は大きく3つに分けられます。
施設と賃貸契約を結び、家賃を支払う「建物賃貸借方式」、その中でも入居者の死亡を持って契約終了となる「終身建物賃貸方式」、それら以外の契約方式で利用料金を払って利用権を得る「利用権方式」です。

施設によってどの契約形態を採用しているかはさまざまです。
契約時には必ず確認し、与えられる権利内容を把握するようにしましょう。

一日の過ごし方

有料老人ホームでは、一日のスケジュールが施設全体で設定されている場合が多いようです。
介護を必要とする方の入居が多いため、スタッフが管理できるよう食事や間食、リハビリ、入浴の時間などが決まっていることがほとんどでしょう。規則正しい生活リズムを維持できるというメリットもあります。

また、それ以外の時間は比較的融通を効かせて過ごすことができます。
その間に一息ついたり、趣味の時間を楽しんだりすることもできるでしょう。
施設によってはレクリエーションなどが開催され、他の入居者との交流を楽しむことができます。

シニア向け分譲マンションと有料老人ホームは、メリットや特徴が分かれています。
本人の体の状態や資金面はもちろん、どんな老後を過ごしたいかという希望に応じて選択することが大切です。
体調の変化に対応できるかどうかや、介護度が上がった際にどうするかといった将来的なことも総合的に考えながら、快適な老後が過ごせる施設選びを行いましょう。

老人ホームに入居するまでの流れについては上記を参考にしてみてください。

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