COLUMN 老後のマンション売却時に知っておきたい注意点とは

老後のまとまった資金を得るために、所有しているマンションの売却を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。売却で得た資金を元手に、施設への住み替えや新たな住まいの選択肢が広がる可能性もあります。しかし、売却にはメリットもあればデメリットもあります。売った後の住まいをどのように確保するかも含め、しっかりと検討を重ねましょう。そのためのポイントをお伝えします。
老後にマンションを売却するメリット
マンションの売却による大きなメリットとして挙げられるのは「資金確保」「固定費の削減」といった金銭的な側面のほか、「老後にマッチした住環境の見直しができる」という3点です。
老後資金の確保
マンションの売却では、ある程度まとまった現金を手にできます。生きているうちにはお金も必要です。マンションの売却によって得た資金を老後の生活費や将来への備えとして有効に使えることは、大きなメリットといえるでしょう。
住環境の見直し
仕事や子育てをしながら暮らしてきた住まいは、老後には広すぎたり、間取りや動線が使いにくかったりということが考えられます。
マンションの売却をきっかけに、コンパクトでバリアフリーな間取り、駅や病院、商業施設へのアクセスが良い立地など、老後に適した住まいへと見直すことができます。
こうした「暮らしやすさ」全体を見直せる点も、売却による大きな利点です。
固定費の削減
持ち家であるマンションに住むためには、固定資産税、管理費、修繕積立金などの固定費がかかります。給湯器など設備に不具合が生じたときも、修理や交換は自分が費用負担をしなければなりません。
しかし賃貸であれば、多くの場合、家賃と管理費だけの負担です。取り付けの設備についても、修理や交換は貸主が負担します。固定資産税もありません。
マンションを売却すると、こうした固定費の削減が図れるのも、見逃せないメリットです。
老後にマンションを売却するデメリット
老後のマンション売却には、メリットだけでなく「住み慣れた環境から離れることになる」「賃貸住宅への入居が難しい」「引っ越しの負担が大きい」といったデメリットもあります。事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
住み慣れた環境からの離脱
住み慣れた家や、長く親しんだ街には、顔なじみの人々との関係や、いつもの買い物先・通い慣れた病院など、安心して暮らせる日常があります。年齢を重ねるにつれ、そうした環境から離れることに対して、不安やストレスを感じやすくなるものです。
新しい環境に慣れるまでには、時間もかかるでしょう。地域の人間関係を一から築くという心理的な負担もあります。
なじんだ環境から動くことは、自分が思う以上に大きな変化であることを心に留めておきましょう。
賃貸住宅への入居の難しさ
マンションを売却した後の選択肢のひとつに賃貸住宅がありますが、高齢になるほど賃貸契約のハードルが高くなるのが実情です。
特に単身者の場合は、孤独死や体調急変、家賃の滞納リスクを懸念して、貸主が入居を敬遠するケースも少なくありません。
そのため、売却後の住まいを賃貸で考えているなら、高齢者向けの専用住宅や、子供の近くで暮らすといった選択肢も視野に入れ、早めに検討を進めておくことが大切です。
引越しの負担
年齢を重ねると、荷物の整理や梱包など、引っ越しそのものが大きな負担になります。
必要なものと不要なものの分別、梱包など、マンションに住んでいた期間が長ければ長いほど、荷物の整理に時間がかかる傾向があります。
マンションの売却を考え始めたら、引っ越しのことも検討しておくとよいかもしれません。最近では、食器や本の梱包、段ボールへのパッキングなど一括で任せられる引っ越しプランも増えています。費用は割高になりますが、そうしたサービスを活用することで、心身への負担を軽減できます。
売却後の住まいの選択肢
最後に、マンションを売却した後の住まいとして、どのような選択肢があるかを確認しておきましょう。主な選択肢としては「賃貸住宅」「高齢者向け住宅や施設」「子供や親族との同居」の3つが挙げられます。
賃貸住宅への住み替え
選択肢のひとつめは、賃貸住宅に移ることです。生活や通院に便利な立地で、バリアフリー対応など暮らしやすい間取りの物件を選べば、快適な老後を過ごせるでしょう。
ただし、先ほどもお伝えしたように、孤独死や体調急変、家賃の滞納リスクを懸念して、貸主が入居を敬遠するケースも少なくありません。高齢になればなるほど、契約更新が難しくなるともいわれているので、賃貸住宅を探す場合は、その点をよく理解しておく必要がありそうです。
高齢者向け住宅や施設の利用
有料老人ホームなどの老人施設のほか、近年はシニア向けの分譲マンション、サービス付き高齢者住宅など、多種多様な高齢者施設が増えてきました。
このような施設であれば、単身者であっても不安なく暮らすことができます。シニア向けの分譲マンションなら、資産とすることも可能です。
ご自身の資金、健康状況に照らし合わせ、最適な住まいを探してみましょう。
子供や親族との同居
マンションを売却した機会に、子供や親族と同居するという道もあります。この場合は、新たに住まいを探す必要がありません。
ただし、同居人が増えるということは、生活環境が大きく変わるということでもあります。お互いの生活スタイルやプライバシーを尊重できるよう、事前に十分な話し合いをしておくことが大切です。
老後のマンション売却時に知っておきたい注意点とは
老後にマンションを売却する場合、メリットもあればデメリットもあります。
主なメリットは「老後の資金を現金で確保できること」「固定費の削減につなげられること」「老後に適した住環境の見直しができること」です。
一方でデメリットとしては「住み慣れた環境から離れることによる心理的なストレス」「賃貸住宅への入居を希望する場合の難しさ」「引っ越し作業の負担が大きい」が挙げられます。
売却を検討する際は、売却後の住まいも含めて総合的にプランを立てることが大切です。
老後の暮らしをより安心で快適なものにするために、慎重な検討を重ねましょう。
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