COLUMN 老後の資金はどれくらい必要? 夫婦二人で暮らす場合の目安
夫婦二人で老後の暮らしは、経済的に安心して暮らせることが重要なポイントです。この記事では、総務省統計局のデータなどを基に、夫婦二人の老後に必要な資金の目安について詳しく解説していきます。老後の収入や毎月の生活費、高齢者ならではのリスクに対する備えを理解した上で、早めの準備を始めましょう。
夫婦二人の老後に必要な資金の目安はいくら?
夫婦二人の老後の資金計画を立てるためには、まず老後の収入と支出を具体的にイメージしておくことが大切です。ここではまず、総務省統計局が発表した「家計調査 2023」のデータを参考にして、老後の収入の目安や毎月の生活費について詳しく解説していきます。
老後の平均収入
まず、老後の平均収入について詳しく見ていきましょう。総務省統計局が発表した「家計調査2023」によると、無職の夫婦(共に65歳以上)の二人暮らしの実収入は約245,000円になります。収入から税金や社会保障料などを差し引いた可処分所得は約213,000円になりますが、そのうちの80%以上が国民年金や厚生年金などの公的年金から成り立っています。公的年金に、退職金や資産運用による収入を加えただけでは、十分な生活費が賄えないケースも多く、早いうちからの計画的な貯蓄が必要になります。
毎月必要な生活費の平均額
次に、毎月必要な生活費の平均額を、先ほどの「家計調査2023」を基に見てみましょう。夫婦二人の老後の平均的な消費支出はおよそ250,000円となっており、内訳は以下の通りです。
- 食料費:約73,000円
- 水道光熱費:約22,000円
- 娯楽費:約25,000円
- 保険医療費:約17,000円
- 住居費:約17,000円
- 交通・通信費:約31,000円
- その他(交際費含む):約65,000円
居住地および持ち家か賃貸の違いによっても支出は大きく異なりますが、現役時代よりも生活費は抑えられるものの、年金収入だけでは生活費が不足する可能性があります。
高齢者ならではのリスクに対する備えも大切
また、老後には突然の病気や介護のリスクも高まるため、それらの備えも大切です。高齢者の医療費は年間で約10万円から20万円程度かかる場合があり、介護が必要になった場合の費用はさらに高額になることが想定されます。高齢者施設への入所や訪問介護の費用は月額数万円になることも珍しくなく、これらのリスクに備えるために医療保険や介護保険に加入しておくこともポイントでしょう。
夫婦二人で安心して老後の生活を送るためのポイント
では、夫婦二人が安心して老後の生活を送るためにはどうしたら良いのでしょうか。経済的な課題などが不安に感じるかもしれませんが、計画的な準備と適切な選択によってそうした不安を解消することは可能です。ここからは、安心して老後の生活を送るための具体的な方法を3つのポイントに分けてご紹介します。
老後の収支をシミュレーションしておく
安心して老後の生活を送るために最も大切なことは、老後の収支を具体的にシミュレーションしておくことです。自分たちがどのくらいの収入を得られ、どのくらいの支出があるのかを具体的に把握することで、不足分を補うための対策と準備をすることができるでしょう。公的年金の受給額、退職金、資産運用の収益などを考慮し、生活費や医療費、趣味や娯楽の費用を見積もり、具体的なイメージを持つことがポイントです。
早めに老後資金を準備する
老後資金の準備はスタートが早いほど、より多くの蓄えを作ることが可能になります。老後は年金が主な収入源となりますが、多くの人にとってはそれだけでは不十分なことが多いようです。しっかり稼ぐことができる現役時代から積極的に貯蓄をしたり資産運用を行ったりすることで、将来のための蓄えを増やすことができるでしょう。個人年金保険や確定拠出年金(iDeCo)など税制面での優遇を受けられる制度もいろいろあるため、各制度の特徴やメリットやデメリットをよくご理解の上、自分にとって最適な方法で長期的に資産を増やす工夫をすることがポイントです。
老後の最適な住まいを検討する
老後の生活を快適に過ごすためには、住まいの選択も重要な要素になります。高齢になると、健康状態や生活の利便性が大きく変わるため、自分たちのニーズや資金に合った住まいを選ぶことも大切なポイントのひとつです。老後の最適な住まいは、以下のポイントを考慮して検討しましょう。
バリアフリー住宅: 将来的な介護や身体の不自由を考慮し、バリアフリー設計の住まいを選ぶと安心です。
交通の利便性: 病院や買い物施設へのアクセスが良い場所を選ぶことで、日常生活がスムーズになります。
コミュニティ環境: 周囲に同世代の人々がいる環境や、趣味を楽しむためのコミュニティがある場所は、生活の質を向上させます。
経済的な負担: 賃貸か持ち家か、またはシニア向け住宅施設など、自分たちの経済状況に合った住まいを選びましょう。
老後の生活費を把握し、収支のシミュレーションを行うことで、安心して老後を迎えるための準備ができます。夫婦二人での生活費の目安や、突然の病気や介護に対する備えも考慮し、早めに資金を準備しましょう。
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