COLUMN 老後独身の場合貯金はいくらあればいい? 年代別の資金を作る方法

老後独身の場合貯金はいくらあればいい? 年代別の資金を作る方法

ライフスタイルや社会状況の変化により、老後を独身で過ごす人の割合もかつてより多くなってきました。
「老後に必要な資金は2000万円」などと言われることもありますが、独身の場合、貯金はいくらくらいあると安心なのでしょう。また、老後に備えた資金は、どのようにして作ればいいのでしょう。
独身の場合の老後資金について、様々な切り口から解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

独身の場合に老後の貯金はいくら必要か

独身で老後を過ごす場合、どのくらいの貯金があると安心なのでしょうか。
さまざまなシミュレーションや意見がありますが、ここでは老後にかかる費用をざっくりと計算してご説明します。
まずは、何歳からを老後とするかをはっきりさせておく必要があります。それによって、必要な貯金額が変わってくるからです。
「老後」の定義は特にありませんし、いつまで働き続けるのかも人によって異なります。
この記事では、会社勤めを終えた後、年金が受給できる65歳以降を老後として話を進めていきます。

65歳以降、何歳まで生きる前提で貯金額を計算すればいいのでしょうか。
厚生労働省が発表している統計『簡易生命表の概況』をもとに平均余命を割り出してみます。この統計は、ある年齢からの平均余命がどのくらいあるかまとめたものです。

最新の令和3年版を参照すると、65歳以降、男性は19.85年、女性は24.73年の平均余命があるようです。四捨五入すると、65歳以降、平均すると男性は約20年、女性は約25年生きるということになります。

次に、65歳以降、生活費としてかかる費用はどのくらいなのかをご説明しましょう。
総務省統計局による『家計調査報告(家計収支編)』(2021年調査)をもとに見てみましょう。
月々の支出は、65歳以上の単身男性で13万6,210円、同じく単身女性で13万7,653円、平均すると約13万7,000円です。

ここで気をつけたいのは、この額が平均値であるため、家賃地代が男性で約1万円、女性で約5,600円として算出されていることです。
総務省が発表した『平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要』によると、65歳以上の単身世帯の33.5%は借家住まいとなっています。
どこでどのような住宅を借りて住むかにもよりますが、同調査での家賃は5万円前後で提示されています。
ですので、賃貸住宅に住み続ける場合、『家計調査報告(家計収支編)』の家賃に4万円ほどをプラスして、1カ月当たり約17万7,000円の支出で計算を行った方がよいでしょう。

ただし、この記事では、単身者の60%以上が該当するであろう持ち家での暮らしを想定し、13万7,000円を基準に計算を行います。

では、収入はどうでしょうか。
不労所得などの収入がない場合、基本的な収入は年金です。
年金の受給額は、加入していた年金の種類や年数によって異なるため一概には言えませんが、厚生労働省が発表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の男性で約17万円、女性で約11万円となっています。

非常にざっくりとした計算ですが、月々にかかる費用が13万7,000円と仮定すると、男性は黒字ですが、女性は毎月約2万7,000円、年間約32万4,000円の赤字になってしまう計算になります。
つまり女性の場合、赤字分に、65歳以降の余命年数をかけた額が貯金として必要ということになります。計算すると、32万4,000×25年=810万円となります。

老後にかかる費用の種類

次に、老後にかかる費用について具体的に見ていきます。

生活費

生活費は、食費や光熱費のほか、日用品や衣料、交通、通信、趣味や娯楽など、生活するにあたって必要な費用です。
自分ひとりだけの暮らしなので、どのように配分するか、どのように節約するか、すべては自分次第です。
うまくやりくりすれば、それなりに費用を抑えることもできますが、食材の少量の購入は、割高になる傾向があります。

居住費

持ち家があれば家賃はかかりませんが、その分、固定資産税がかかってきます。
賃貸の場合は、ひとり暮らし用のシンプルな部屋、築年数の古い物件なら、さほど家計を圧迫せずに借りることが可能です。

医療費

健康で過ごせれば医療費はかかりませんが、年齢を重ねると身体の不調が出てくることも確かです。
また入院となったとき、家族がいれば洗濯物などの細かい家事を頼むことができますが、ひとりの場合、病院が用意したサービスを利用しなければならないこともあるでしょう。
不自由ではないかもしれませんが、費用はかかることが想定されます。

先程、65歳以降で必要になる貯金額は810万円とお伝えしました。
ただし、月々にかかる費用は、あくまでも平均値から算出したものです。
先ほどもお伝えしたように、賃貸住宅の家賃、介護費用や葬儀費用などは支出に含まれていません。
そう考えると、男性でも500万円~1,000万円程度、女性の場合は1000万円~1,500万円程度の金額が一つの目安になるのではないでしょうか。

年代別の老後資金を作る方法

老後にも、それなりの費用が必要なことがわかりました。
そのための資金作りは早めに始めたいところです。
具体的な方法を見てみましょう。

積み立て貯金

毎月、無理のない金額を設定しコツコツと積み立てていけば、10年、20年後には、それなりの金額になっているはずです。
30代~40代は、収入は増えますが、家族が増えればその分、出費も増えます。
少額でもいいので、無理のない金額を決めて積み立てていくといいでしょう。
50代を過ぎ、子どもの手が離れたタイミングで貯金額の増額も考えてみてください。

金融商品への投資

今は、投資のための金融商品も様々な種類があります。
まずは初心者向けの方法を勉強し、積み立てやボーナスでまとまったお金ができたら投資にチャレンジするのも資産を作る方法のひとつです。
投資には資金が減るというリスクもありますが、早くから経験を積んでいけば、10年後、20年後には、知識も増えているはず。
その知識を生かして、老後も投資で収入を得ることもできます。

老後を独身で過ごす場合にかかる費用についてお伝えしました。
細かい条件は人それぞれなので一概に「いくら必要」とは言えませんが、ある程度の貯金はあったほうが、生活だけでなく、気持ちにもゆとりを持って過ごすことができることは間違いありません。
老後独身の場合にかかる費用については上記を参考にしてみてください。

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